よく現場の自衛官や一般国民の方々などから、自衛官が自腹を切って様々な装備品を購入している件で、「ちゃんと予算で購入してあげないと気の毒」、「高額な自腹では、やってられない」となどの意見があります。
厳しいこと言いますが、はっきり言って甘えすぎです。
例えば、ごく普通の会社員の方であれば、スーツ、シャツ、靴など当然自腹です。食費も住居費も、全額自腹です。(住居手当はありますが)
その他、中小企業の場合では、通信費やガソリン、接待など経費が出ない場合もあったり、民間では業務で使う細々とした出費は当然自腹です。
でも自衛官はそのほとんどが無料です。
(※駐屯地での集団生活が大変だからと思う方もいるかもしれませんが、正直私の実感では駐屯地の生活は慣れればかなり快適で楽で、ずっとそこで暮らしたいくらいです。普通に一人暮らしで通勤の方が遥かに大変です。)
会社がスーツを支給してくれないからジャージで行きます、美容師が専用のハサミなど支給されないから100円ショップのハサミで髪を切りますなど、常識的に通用すると思いますか?
1~2年のみの限定勤務の徴兵ならともかく、陸曹以上(定年まで勤務する場合)になる自衛官であればプロとしてプロの仕事道具を自腹で揃えるのは、社会人としてごく当たり前の社会常識です。
フランス軍も米軍も基本的に装備や制服など大抵のものは自腹で購入します。
私もフランス軍で部隊配属になった時、背のうやチェストリグなど戦闘装備、迷彩服、ブーツ、ベレー、中隊統一のスポーツウェア一式、武器手入れ具、銃のスリングなどなど書いたらきりがないほど自腹で全て購入しました。
当初数か月分の給料は吹っ飛びます。当然です。
米軍も装備一式はほぼ自腹購入です。
官品のみという体質の自衛隊は、どちらかというと中国軍や北朝鮮軍に近い感じがします。
私はこれまで費やした費用は、装備品だけで数百万円、部隊以外の部外訓練の費用なども加えると軽く一千万円は超えます。でもこれは当然だと思っています。
なぜなら私はプロとして自覚と誇りがあり、常に技能や装備を日々努力向上しうようと心がけているからです。
与えられた仕事を最低限こなせばいい、などという甘えた考え方など一切考えていません。
国民の血税で俸給を頂いていること深く理解し、全力でそれに応えるつもりだからです。それがプロフェッショナリズです。