現職の自衛官も含めて多くの方が勘違いされていますが、日本では常備自衛官も即応予備自衛官、予備自衛官も実施的な立場は全く変わりません。
それはどういう事かというと、日本は専守防衛であり、それはつまり本土決戦のことです。
防衛出動が発令され、戦場となるのは日本本土そのものです。
そこに最前線も後方もありませんし、日本有事に常備自衛官も予備自衛官も関係ありません。
想像すれば簡単なことですが、分かりやすい実例は先の大戦で実際の日本防衛戦がどうなったかということです。
予備役は後方の安全な基地や駐屯地での警備だけだったのでしょうか?
そうではないことは歴史が証明しています。
先の大戦末期に連合国が計画した日本本土への侵攻作戦「ダウンフォール作戦」が例に挙げられます。
こうしたことを戦訓にした計画が必要だと思います。
海外の軍隊の場合は、遠い外国の戦場と本国とは別ですが、日本の有事においては全く状況が違います。
他国から侵略を受けた際に防衛出動が発令され、常備自衛官が出動するということは、即応予備自衛官や予備自衛官も必ず招集されることになります。
そんな日本の存亡が掛かった有事において、常備自衛官だけ出動することはまずありえないということです。
つまり、常備自衛官と即応・予備自衛官は一心同体であり、日本存亡を掛けた有事の際は必ず共に肩を並べて任務に従事するということです。
もし常備自衛官だけ出動する場合は、日本全体にとってそれほど深刻な事態ではない小競り合い程度の場合のみです。
その場合に派遣されるのは自衛隊においても、ごく一部の限られた部隊だけだと思います。
ちなみに即応・予備自衛官が防衛出動で招集される場合は、赤い色の招集命令書が届きます。
現代でも「赤紙」は存在しています。
常備自衛官も即応予備自衛官、予備自衛官もそのことを肝に銘じて、強い決意と覚悟をもって日頃の訓練に励んで頂きたいと願っています。
※写真は陸上自衛隊HPより引用