防災担当スタッフです!
人間の生理的欲求・感覚に逆らった修行をする忍者が、極限の修行を経ても任務時欠かさず揃えた道具を現代の非常時に置き換え、非常備品を考えてみます。
7つ道具…鉤縄、編笠、石筆、薬、手拭、打竹、錣
※錣(しころ)を抜いて忍び六具と言われます。
※忍術、忍器を盗賊目的で利用することは、現代でも忍者に喧嘩を売ることになります。
・鉤縄(かぎなわ)…先端に返しの付いた金具(錨)に縄が付いている。もしくは、鉤を4つ(3つ)束ね結束した物。水中で錨や簡易橋の係留、小型船舶(湖川小出力程度)の転覆、壁等の高所~低所の昇降。高所へ物の引き揚げ、対岸に投擲し渡河、錨による打撃、縄を使った敵の抑留や縛着(ロープワーク)等に使用する。
非常時備品として→武器使用が目的では無いので鉤は含まず。昇降目的であれば径8mm以上のザイルとカラビナ、それ以外の目的であればパラシュートコードでも可。遠方に投てきするのであれば、ペットボトル等を分銅代わりにします。簡単な結束や靴のソール剥がれに結束バンドを入れても便利です。
・編笠(あみがさ)…素材が各地で入手できる為、雑踏への溶け込みや人相割れの防止。雨避け、文書や武器の隠匿で使用。
非常用備品として→主に頭部の保護を目的とすれば、帽子やヘルメット、アイウェア、マスクで代替可。
・石筆(せきひつ)…蝋石を筆記用に加工した物。描いた物を容易に消す事ができる。
非常用備品として→防水メモ帳と筆記具(マジックペンとボールペン)
※非常時に携帯電話が使えなくなる可能性もあるので、家族プロフィールや関係連絡先、P.A.C.Eの備忘録。家族内伝言板や避難所情報の共有等で使用。
※Primary(主計画) Alternate(予備計画) Contingency(不測事態対処計画) Emergency(緊急事態対処計画)
・忍び薬…行動食(兵糧丸、飢渇丸、水渇丸)と別に生薬を原料に加工、用途によりそれぞれの効果があり、任務により毒薬劇薬を携行する事もある。水戸黄門で有名な印籠は常備薬を携行する入れ物。
非常用備品として→常備薬(持病の薬、ビタミン剤、点眼、軟膏)、栄養剤、水筒(ウォーターバッグ)
・三尺手拭(さんしゃくてぬぐい)…約90cmの木綿布で薬草で煮て殺菌効果を付加させてある。頬被り、首巻、帯、鉢巻、マスク(覆面)、創部保護、水の濾過、簡易風呂敷、武器(ブラックジャック)と多目的に使用できる為、肌身離さず携行すべしとなっている。
非常用備品として→タオル、手拭い、浄水器
・打竹(うちたけ)…火打石の代わりに静かに着火する火種としての役割。
非常用備品として→ライター、マッチ、9V電池とスチールウール、ジャンプスターター等
・錣(しころ)…小型の葉型のこぎりで、大きい物では生垣を伐採したり、形状を利用し板を切断する事ができる。
非常用備品として→ナイフ、破壊工具(のこぎり、バール、斧ハンマー、弁慶)
このように洗練された物を携行していました。
苦内(無)や手裏剣、忍者刀は携行しなかったのか?と思われますが、あからさまな忍器・忍具は関所等で怪しまれます。
また、想像している苦内(飛苦内)よりは和釘に近い形状であったり、忍び刀は腰に挿すと鍔(つば)が四角の為、歩行時邪魔だったりと調べると大変勉強になります。
これらの忍器・忍具は任務によって追加したり現地調達で補う為、基本装備からは外れていました。
詳しくは「万川集海」をお読みになるか、最寄りの忍の里や忍者インフォメーションセンターをお訪ね下さい。