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岸田総理はアメリカ大統領との会談で防衛費の大幅な増額を表明されました。

これまでGDP1%以内に抑えられ、一般の方にはあまり知られていませんが、実は自衛隊の装備や生活環境の多くはかなり旧式であったり、老朽化が進み、とても先進国とは言えない状態にあります。

例えば陸自の個人装備のほとんどは第一線部隊であっても、基本的には30年以上前のタイプのものが全く更新されることもなく、現在も使用されています。

それでも現職の自衛官の方々は、文句ひとつ言わずに粛々と日々、日本の防衛のために訓練や任務に従事しています。

そんな自衛隊には様々な問題がありますが、その一つとして、米軍ばかりと交流して、アメリカ以外の西側の軍とほとんど交流してこなかったことです。

最近、ようやく少しづつイギリス軍やフランス軍、オーストラリア軍などとの交流も増えては来ていますが、多くの自衛官は、米軍の装備や訓練をお手本にして色々学んだり、米軍の様にするべきだと過度に考えている方が多いと思います。

では、アメリカの年間の軍事費はいくらかご存知でしょうか?

なんと約87兆円です。(8010億ドル:2021年当時、1ドル109円換算)

世界第2の中国さえ、約32兆円です。

ちなみに日本の防衛費は約5兆円です。

これでも日本は世界トップ9位くらいの予算規模です。

ただし、日本のGDPに対する軍事費の割合は、0.992%で世界ランキングの順位は103位です。

米軍は、世界第2の中国の約3倍、日本の約17倍の予算規模です。

日本と比較して、そもそも予算や規模でまったく桁違いである米軍をモデルにするのは到底無理な話です。

一部だけ真似ても、後方支援や全体のパッケージを含めた巨大なバックアップ体制が機能しなければ本来の能力を発揮できません。

それならば予算や規模が比較的近い、英軍やフランス軍など欧州の先進国も参考に加えた方が良いと考えます。

もちろん欧州の軍をお手本しろということではありません。

問題なのは、米軍以外の他国軍との交流がほとんどなく、自衛隊幹部でさえ欧州の軍隊についての知識が不足している点です。

なにも全世界の軍を知れということではありません。

せめて国連の安全保障理事会に所属している西側の大国である英軍やフランス軍について知っておくべきです。

自衛隊幹部の方でさえ、英軍やフランス軍の階級章の知識など不足している現状です。

これでどうやって国際活動や海外派遣での協力や共同活動、交流ができるのでしょうか?

海外の唯一の自衛隊の拠点があるジブチはフランスが宗主国です。

アフリカでも最も影響力を持っているのがフランス軍です。

また自衛隊はこれまでアフリカの多くの国々で活動してきた歴史があるのに、全くフランス軍の知識も交流もほとんどありませんでした。

アフリカで何かあれば、必ずフランス軍の協力が必須になってきます。

2011年にアフリカのコートジボワールという国の日本大使館が反政府武装勢力に襲われた時に日本の大使を救出したのはフランス軍です。

カンボジア内戦でも、フランス軍担当地域で彼らに守られて自衛隊は活動していたのは事実です。

フランス軍は予算も兵力人員もほとんど日本と同じ規模です。

それなのにフランス軍は米軍抜きで、単独で世界規模で軍を展開できる能力を持っています。(自国民の救出などや、友好国の救援など)

またフランス陸軍の個人装備は、15年前までは自衛隊とそれほど変わらない状態でしたが、現在は米軍を超える最新装備となっています。

それにフランス軍はまったく関わりのない国ではなく、もともと日本は明治時代にフランス軍をお手本にして装備や訓練を行ってきた歴史的に深い関りを持っています。

この様に自衛隊は米軍以外にも予算規模の近い国の現状をもっと知る努力が必要だと思います。

多くを知ることで自衛隊がどういう現状なのかを正確に分析できるようになると思います。

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