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ジブチ共和国、ここはアフリカの角と呼ばれ、ソマリアとエチオピアという非常に不安定な国に挟まれていて、フランス軍や米軍の保護がなければあっという間に消し飛んでしまう様な小国です。

私は、小部隊戦術課程が修了して間もなく、2006年10月に初の海外派遣としてジブチ共和国に派遣され、首都ジブチにある外人部隊第13准旅団に配属されました。

(第13准旅団は現在、フランス陸軍の改編によって、フランス国内に移転されました)

まだ入隊して1年ですぐに海外派遣に行けるところが、自衛隊とは違うと改めて感じました。

現在では、ソマリアの海賊対処のために自衛隊初にして唯一の海外拠点が設立されました。

しかし、私が派遣された当時、まさか自衛隊がジブチに拠点を置くとは想像もしませんでした。

ちなみに、私の後輩の日本人隊員は元自衛官で、彼が2011年にジブチに派遣された時に自衛隊の基地の前を通りかかり、基地警備をしていた隊員をたまたま見かけたら、なんとかつてレンジャー教育で苦楽を共にした同期にばったり再会した様で、お互い相当に驚いていた様です。

この国は、地球上で最も暑い国の一つで気温が高い時で50度を超える時がある灼熱の大地です。

砂漠といっても岩だらけで小高い山々がある月面の様な大地で、アフガニスタンに地形が似ていることから派遣前の準備訓練に使われたりしました。

私が派遣された2006年から2007年の間、隣国のソマリアにおいてエチオピア軍との戦闘が多発する武力衝突の状況が続き、我々は重要施設の警備や国境付近の警備任務などもあり、非常に緊張した状態でした。

こうしたことは、まず自衛隊ではそう経験出来ないことであり、外人部隊に入隊して良かったと思いました。

ここではフランス国内では考えられない程の弾薬や爆薬を消費し、海外訓練ならではの安全管理を度外視した相当危険な実戦的訓練を行いました。

実弾と(実弾の)手榴弾を使用した小部隊戦術訓練を行い、装甲車からの下車展開、ヘリボーン作戦、海軍の支援を受けて揚陸艦から水上陸を行うなど、実弾実爆や実機の航空機を利用して徹底的に歩兵戦闘全般を練成しました。

特にフランス軍でISTCと呼ばれるガンハンドリング訓練に力を入れて練成し、小銃と拳銃、火器変換(トランジション)など多くの実弾を使用して体系的に訓練を受けた経験が今の私の基礎となっています。

戦闘射撃訓練で12個弾倉分約300発を連射で一気に撃つ機会があり、その時に銃身が今にも破裂しそうなほど加熱し、大量の煙が出て、銃の限界を肌で感じられた良い経験でした。

7.62mm狙撃銃での狙撃訓練中に見つけた500~600m先にいる野生のガゼルを狙撃して仕留めた後に、解体してその晩の夕食としてみんなで食べたりしました。

また、大量の爆薬を使用して、フランス国内では出来ないような応用爆破や無茶なアレンジをして、様々に応用工作を試したり、非常に興味深い内容でした。

砂漠という過酷な環境下で、活動するノウハウやサバイバル術、砂漠戦などの貴重な経験を学ぶ事ができました。

その他には、砂漠のど真ん中で輸送機に落下傘が入った携行袋を持って乗り込み、離陸からたった15分間で、満員電車並みの身動きが取れない状況下における機内での落下傘装着、点検からの降下を実施する尋常ではない強行的な降下訓練や360度遮るもののない地平線が果てしなく続く真っ平な砂漠に空挺降下し、着地後にもの凄い強風で100m近くパラシュートによって引きずられて、肩部離脱器でハーネスを外して、全身ボロボロになりましたが何とか助かった経験などもしました。

ユニークだったことは、グランバラと呼ばれる果てしなく真っ平な砂漠を15kmの一直線のマラソンを走りました。

どんなに走っても全く景色が変わらない風景は、全然進んでいない感覚に陥り、永遠にゴールにたどり着けないのではないのかという錯覚を感じました。

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