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あの友軍相擊事案の後、何度か戦闘があったり、私が乗った装甲車があやうく対戦車地雷を踏みそうになったり、装甲車が崖から転落しかけて片方の車輪だけでギリギリ踏みとどまったり、すでに何度となく死にそうになりました。

もうその数が多過ぎて、もう何回死にそうになったのか数えるのをやめました。

そして、3月に入った頃、我々は大規模な作戦に参加することになりました。

敵支配地域にCH47大型ヘリで夜間潜入を行い、その地域に展開して応急防護陣地を構築して1週間防御するという任務でした。

その間に地上部隊が進入して、当該地域にCOP46(戦闘前哨砦)建設の足掛かりを行うというものでした。

まさに戦国時代の一夜城ならぬ、1週間城を敵地に作るという厳しい任務でした。

1週間では完成されることは到底出来ないので、その足掛かりとして最低でも外周の外壁を概略だけでも作り上げる作戦の様です。

そうすれば、後はその中で防御態勢を維持しながら、少しずつ広げて完成されていく方向の様です。

3月2日、我々は1週間分の装備を背負い、CH47大型ヘリに搭乗して、夜間に敵地支配地域に潜入しました。

ヘリから降り、しばらく徒歩で潜入して目的地に到着。

そして展開した後に、携帯えんぴ(スコップ)で硬い地面を寝そべりながら、なるべく低い姿勢で掘り進めました。

なぜなら、その一体は全く遮蔽物もない平地で、遠くからでも一目瞭然の無防備な場所でした。

そして夜が明けて少し経った時、いきなりジェット音が頭上に聞こえたと思った瞬間、後方100m程で爆発がありました。

一瞬、何が起こったのか理解出来ずにいたら、次の瞬間には右側100mほどにまた爆発がありました。

その瞬間、これが敵の砲撃だと理解して、すぐに作りかけの穴に伏せました。

するとさらに敵の機関銃掃射があちこちから我々を狙って射撃してきました。

しかし我々はすぐに撃ち返さずに冷静に状況の把握を行いました。

敵は1500m近く離れた市街地から撃って来ました。

この距離では、小銃や機関銃、狙撃銃など通常の火器では射程範囲外で撃ち返しても効果は低く、なおかつ市街地には一般市民も住んでいますので無闇に撃つことは出来ません。

私は今回、MILAN対戦車ミサイルを持って来ていましたので、それで敵の位置を索敵しました。

敵は旧ソ連製82mm迫撃砲を数発射撃しては、分解して移動し、また射撃してを繰り返していました。

同時に別のグループが機関銃射撃を行っては、移動してを繰り返していました。

私はその間、近くに敵の射撃や迫撃砲の爆発を受けながら、冷静に観察して敵を発見していきました。

敵は巧妙で宗教施設の前など一般市民が多く集まる場所で攻撃を加えて来て、こちらは一般市民が巻き添えになるために射撃が出来ない状況でした。

私の対戦車ミサイルなら、遠距離でもピンポイント精密射撃が可能ですが、威力が大きいので、一般市民が近くにいると射撃が出来ませんでした。

その時、銃を持った敵ゲリラ10人が移動しているのを発見。

すぐ射撃態勢を整えましたが、壁や建物の後ろに入ってこちら側では正確な位置は分からなくなりました。

そこで我々の後方に小高い丘があり、その頂上付近に配置したもう一個分隊なら見えるはずだと無線で敵の位置を連絡しました。

すると彼らからなら、壁の後ろにいる敵の集団がはっきり見える様で、すぐミサイルを射撃しました。

2000m近く離れているので着弾まで約12秒ほどかかります。

10人の敵ゲリラの内、5人が逃げ始め、残り5人が当たるわけのない飛んでくるミサイルに対して必死に射撃していました。

そして、そのまま逃げ遅れた5人はミサイルを受けて倒すことが出来ました。

そうしているとF15戦闘機が爆音とフレア(対空ミサイルを妨害するための囮弾)を轟かせながら超低空飛行で市街地をなめるように威圧の飛行をして飛び去って行きました。

さらにフランス軍のティーガー攻撃ヘリがやって来て、猛烈な機関銃掃射と対戦車ミサイルを発射していました。

もう私の目の前では、とんでもない大規模な戦闘が繰り広げられて、私は思わず「本当に来て良かった」と笑みを浮かべていました。

そして、工兵など車両部隊が到着して、COPの建設が始まりました。

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