負傷者が発生してから、最大火力による反撃、煙幕、離脱、そして現場における救命処置、後送後の高度救命処置までの一連の流れを分かりやすく紹介しています。
第一線救護では「SAFE-MARCHE」を実施します。
まず敵との接敵している状況下である「交戦中の処置(Care Under Fire)」では、まず行うべき「SAFE」:
S (Stop the Burning Process) 脅威の無力化
A (Assess the Scene) 現場状況の把握
F (Free of Danger for You) 自身の安全を最優先
E (Evaluate for the ABC) 症状の評価
A (Airway) 気道
B (Bleeding) 出血
C (Cognition) 意識(介助の必要なく行動できるか)
「SAFE」を達成したならば、すぐに交戦地域から離脱し、一旦ある程度敵の火力から防護出来る場所である「戦闘域での処置(Tactical Field Care)」において「MARCHE」へ移行:
M (Massive Bleeding Control) 大量出血の制御
A (Airway) 気道の再評価と確保
R (Respiration) 呼吸の管理
C (Circulation) 循環の管理
H (Head & Hypothermia) 頭部外傷と手足の麻痺の評価、低体温の予防
E (Evacuation & Everything) 搬送とその他できること全て
ここでは衛生兵によって、経鼻エアウェイによる気道確保、緊張性気胸の対処のための胸腔穿刺、骨髄への直接の輸液投与など、現場において様々な救命処置が実施されます。
その後に車両や航空機によって後送され、「戦場からの後送処置(Tactical Evacuation)」である後方の医療施設における高度救命処置が実施されます。
フランス軍は、特に近年はアフガニスタンやマリにおいて多くの負傷者対応の経験を有してします。
実際、私自身もアフガニスタンで負傷者搬送の経験もありまます。
そのため、訓練はかなり力を入れています。
私が現職時代には、こうした人形ではなく実際に人間に輸液投与など施して、私も輸液の針を刺されたりしました。
中々良い訓練だと思います。