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「密林任務適応課程」を終え、何度かジャングルの任務を終えて慣れ始めた頃、「81mm迫撃砲課程」を受ける機会に恵まれました。

私は元々迫撃砲に興味があり、外人部隊でこれまで受けて来た教育課程や自衛隊の偵察課程などで「前方観測員(FO):迫撃砲の射撃要求や射撃修正を行う役職」の教育は受けていましたが、迫撃砲自体の取扱いはまるで知識はありませんでした。

チャドやアフガニスタンでは、第35落下傘砲兵連隊(35eRAP)と共に任務に従事し、彼らの支援に何度も助けられました。

彼らは主に120mm迫撃砲を扱っていました。

このフランス製120mm迫撃砲は、世界的にも非常に優れた迫撃砲として有名で、陸上自衛隊でも使用されています。

自衛隊の迫撃砲技術は世界一と言われていますが、彼らも自衛隊に負けないくらい優秀で頼もしかったです。

現代戦において、兵士同士が直接撃ち合って戦闘するよりも、遠距離から隠密に偵察・監視して敵を発見したら火力要請を行い、砲迫による砲撃や航空機による爆撃で制圧するのが一般的になっています。

ただ、アフガニスタンの場合では遮蔽物のない地形がほとんどのため、120mm迫撃砲や155mmりゅう弾砲など長射程のものが主に使用され、81mm迫撃砲はほとんど使用されませんでした。

日本の様な山林が多い地形の場合、分解して持ち運べる81mm迫撃砲は、非常に有効に使える火力となると思います。

迫撃砲小隊は、迫撃砲分隊 、FDC(射撃指揮班)、 FO(前方観測員)の3つで機能します。

迫撃砲分隊は分隊長、照準手、装填手及び射手、弾薬準備手、弾薬運搬手、標管手の6人編成で、フランス製の81mm迫撃砲(MO81LLR)を取り扱います。

フランス製81mm迫撃砲は、自衛隊が使用している英国製L16と比べても性能はそれほど変わりませんが、ずっと砲が長く、総重量が重いものでした。

教育では、諸元性能、設置要領、照準方法など学びました。

具体的な照準法などは専門的な話になるので割愛しますが、特に印象的だったのが、砲や標管(測量棒)を設置して、どうやって照準するのか実際にやってみてようやく理解出来たことでした。

極端な話、小銃も機関銃も狙撃銃も対戦車砲も素人にものの数分説明すれば、精度はともかく狙って撃つことは出来ます。

しかし、迫撃砲はその他の火器と違い、専門の教育を受けなければ、まずまともに狙うことすらできない兵器です。

大まかな構造は理解していましたが、この教育でようやく迫撃砲の操作を具体的にどのようにやるのか、やっとその答えが分かって本当に良かったです。

また行動訓練では、砲身や底盤、脚などを分担して背負って、ジャングルの中を行軍したり、走って射撃位置に設置して急いで照準し射撃、また分解して走って移動などをひたすらに繰り返して、非常に過酷でした。

私は特に照準手として、いかに素早く照準できるかを追求しました。

それがとても面白くて、夢中になっていました。

実射では様々な弾種を射つことができ、夜間には他の小隊員達が小銃、狙撃銃、重機関銃などの実弾射撃を行うために照明弾を発射して空を照らし、夜間射撃の支援をしたり、大変貴重な経験が出来ました。

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