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前回の任務で建設したCOP46より、さらに北に5kmの場所に新たにCOP51を建設する計画が実行に移されることになりました。

4月4日、我々はまずCOP46に向けて出発した。

COP46は建設当初と比べれば、かなり拡張され、設備もそれなりに整備されていました。

そして、そこで潜入準備を整えて、日が落ちて夜になるとまず車両で前進して、その後は徒歩による潜入となりました。

約1週間分の食料や装備と、さらに今回も対戦車ミサイル(発射機17kg、ミサイル13kg×2)、赤外線暗視装置(約6kg)、携帯無線機一式(約10kg)、土のう、えんぴ(スコップ)、12.7mm重機関銃(本体38kg、脚20kg)と実弾300発(100発で約12kg)などを分担して持って行くことになりました。

敵支配地域において、一人当たり、約70kg~90kgの重量の装備を持ち、徒歩で険しいアフガンの山を登って行くことなり、体力的にも相当厳しく、そして危険な任務になりました。

我々の乗る装甲車のドライバーは、完全無灯火で暗視眼鏡のみの運転を行い、かなりの悪路を前進して行きます。

本当に素晴らしい技量と精神力は称賛に値します。

とはいえ、どんなに優秀でも人間なので完璧ではありません。

私が乗る装甲車の前方を走る装甲車が、なんと悪路で横転して逆さまになる事故が発生しました。

敵地でこの様なアクシデントが起きても、冷静に対応して、全周展開して警戒しつつ、COPから車両回収部隊を呼び、なんとか車両を回収でき、乗員も無事でした。

その後、任務は継続され、目的地域で下車後に徒歩で潜入を開始しました。

とてつもない重量を背負っての山地潜入は凄まじい気合と根性で一歩づつ前へ進み、何度も限界ギリギリの状態まで追い込まれつつも、何とか夜明け前には配置場所に到着出来ました。

そして対戦車ミサイルや重機関銃などを設置して、土のう等で防御掩体を構築して、敵の警戒、監視を行いました。

すると西の方で銃声が聞こえました。

私が見下ろすと、COP51の建設地域に展開しているアフガン国軍の部隊が敵勢力と戦闘になった様で、アフガン国軍はT55戦車や14.5mmの機関銃などで射撃していて、凄まじい戦闘に発展していました。

その内、迫撃砲などの砲撃が次々ありました。

その後、敵の動きも活発となり、我々とも幾度となく戦闘になり、お互いに銃撃戦や砲撃を撃ち合い、緊張した場面が何度もありました。

その間にも、またF15の超低空飛行の威圧や攻撃ヘリの支援を受ける中、COPの建設が続きました。

我々の交戦規定では、相手が銃器を持っていなければ攻撃できません。

明らかに敵と思われる人間を発見しても、銃器が見えなかったり、服の中などに隠されると、我々はただ監視して報告することしかできませんでした。

特に敵が車両に乗ってしまうと、外からでは銃器の携行は見えません。

敵はその事を良く知っているため、我々を攻撃すると、すぐに車両に乗って離脱して行きました。

それで何度も敵を取り逃すことになりました。

そして、我々の射程範囲から出た後、彼らが車から降りたのを60倍率の監視機器で確認すると、多数の銃器やRPGロケット砲などを持っていたということが多々ありました。

交戦規定を厳守しながら戦う我々にとっては、非常に難しい状況での任務でした。

そんな中、私と同じ小隊のC上等兵が600m先に山羊使いとたくさんの山羊の集団を見つけました。

すると突然、何かに気づき、その山羊使いが走って逃げて行きました。

その瞬間、C上等兵は頭に銃撃を受けて、被っていたヘルメットが後方に転がり落ちました。

どうやら、敵は600m離れた場所から狙撃して来たようでした。

しかも狙撃されたC上等兵は、伏せた状態だったにも関わらず、たった1発でわずかに出ている頭部に命中しました。

走り去った山羊使いは、おそらくその敵のスナイパーを見つけて、驚いて走り去ったのでしょう。

奇跡的にヘルメットが防いで、貫通は免れ、ギリギリ弾を止めていました。

ただ、強烈な衝撃でへこんだ部分で負傷して、脳震盪と額を数針縫うことになったものの、命には別状ないものでした。

彼は本当に運が良かったです。

私は彼の被っていたヘルメットを手に取ってみたら、中の首ひもなど金具はほとんど壊れて外れて、血だらけでした。

でも、ヘルメットの繊維が銃弾のエネルギーを上手く吸収して止めていました。

もし、あと2~3cm下に当たっていたら、間違いなく死んでいたと思います。

それにたまたま、彼が撃たれましたが、誰が撃たれてもおかしくない状況で、もしかしたら私だったかもしれません。

その2日後、我々はCOP51付近の市街地に入って、敵勢力の掃討を行いました。

その時、同じ部隊のH上等兵が市街地での戦闘で、頭部に銃弾を受けて、亡くなりました。

額から銃弾が入って、頭部を貫通して後頭部から500円玉ほどの穴をあけて、弾は抜けました。

撃たれた当初はまだ息があり、前線に駆け付けた軍医と衛生兵が懸命に救命処置をして、戦闘地域から必死に後送してヘリに乗せましたが彼は息をひきとりました。

僅か数センチの差が生死を分ける結果となりました。

戦場では往々にして、実力よりも運に左右されるところがあります。

どんなに強くても銃弾がどこに、誰に当たるかなど分かる訳ではありません。

私が生き残れたのは、ただ運が良かっただけでした。

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