
私は2001年に陸上自衛隊に入隊し、新隊員教育後に第1空挺団普通科群に配属されました。
今現在の私があるのも自衛隊のお陰です。
ここでは本当に多くのことを学びました。
空挺降下、地図判読、爆破、潜入偵察、CQB、至近距離射撃、対機甲戦闘、対ゲリラ・コマンド戦、重要施設防護、地雷原爆破処理、部隊通信、リペリング、ファストロープ、エキストラクションロープ等々、短い期間でよくこれだけの訓練することが出来たと思います。
そうしたことが外人部隊に入って本当に役に立ちました。
私が戦場で生き残れたのは空挺団での経験があってこそだと思っています。
第1空挺団は2004年頃、普通科群から3個普通科大隊への改編とともに自衛隊全体の訓練の変化も合わさり、掩体構築や障害構築などの重戦力型対機甲戦闘から、市街地戦や対遊撃(対ゲリラコマンド)などに様変わりして来ました。
駐屯地も新しい隊舎に総入れ替えし、車両も普通科群時代とは比べ物にならないほど大量に配備されました。
私は普通科群時代と普通科大隊時代の両方の訓練を受けられ、また比べられるのでかなり運が良かったです。
それに当時の素晴らしい上司に恵まれ、偵察課程や部隊通信課程など、多くの教育課程に行かせてもらいました。
さらにCQB教育や至近距離射撃 (10mや25mからのダブルタップや前進しながら複数目標に射撃など)、ファストロープ、エキストラクションロープ(ハーネスつけてヘリに吊るされて移動する方法)など色々経験できて、現在の知識、技術、経験のすべてをここで学べました。
本当に自衛隊に入って良かったと今でも思っています。
しかし、これらはかなり運が良かったせいで、ここまでなかなかできるものではないと思います。
中隊勤務では直轄斥候に選ばれ、情報小隊に編成され大隊の眼となり本隊主力より離れて行動し、24時間以上険しい山中をほぼ休息なしで約50キロの背嚢を背負って踏破した後、敵陣地や通信所に潜入し、偵察や監視、襲撃そして離脱という訓練を行いました。
対ゲリラ・コマンド訓練では、敵のアジトを身体用偽装網(ギリースーツ)を着て、昼間は木の上で、夜は匍匐前進で限界まで近づいて監視を行いました。
その時には深夜僅かな音で怪しまれ、暗視装置を持ったゲリラに捜索され1mまで近づかれても気付かれなかった時は心臓が破裂しそうになりました。
彼らが「いないな」と去っていった時は、ハラハラと同時に斥候隊員としての自信がついた瞬間でした。
その他、100キロ行軍(しかも、高低差1200mの険しい山地行軍)で42時間もかけて行軍して脱落者が相次いだ時には、みんな疲労困憊で倒れる寸前でしたが非常にやりがいがありました。
ただ、脱落者が富士の医務室に大量に運びこまれて、医務室の人に「空挺は一体どんな訓練してるのですか!」と怒られたらしいです。
こんな感じで充実した自衛隊生活でした。
私から言えることは、自衛隊は世界的にもかなり優秀で訓練もかなり良いと思います。
それが外人部隊に入隊してよく分かりました。
私は外人部隊に入ったことは本当に満足していていますし、後悔はしていません。
でも、また第1空挺団に戻りたいという気持ちもまた事実です。
それだけ素晴らしいところでした。
第1空挺団は最高に良い部隊です。
そして現在、私は現職自衛官らに対しての訓練指導を通じて、これまでの恩返しを出来ることに心の底から感謝しています。
