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少し前のニュースになりますが、カナダ軍の特殊部隊がイラクのモスルで3540メートルの狙撃記録を打ち立てたことについて簡単に触れてみたいと思います。

https://www.cnn.co.jp/world/35103226.html

アンチマテリアルライフル(対物ライフル)TAC-50を用いてISISの戦闘員を狙撃したと書かれていますが、弾道の描く放物線だけで計算し狙撃するのはこの距離では相当困難だと思われます。

狙撃を成し遂げるには偏流、地球の曲率、コリオリ力、さらには気温、気圧、湿度から空気の粘性などを計算して、さらに、回転する弾丸と空気との間に発生する摩擦についても計算する必要があるものと思われます。

照尺を用いた昔ながらの狙撃では極めて成功率が低いと予想されるこの狙撃、いくら観測手が凄腕だとしても、戦地で手計算で行うには無理があります。

おそらく弾道計算用のソフトを用いており、それに加え各条件が整い、狙撃手が凄腕だと推測されます。

今回の狙撃の本質的な意義は、潜在的にこのような狙撃を成功させうる能力を持った弾道計算ソフトが実用化されているということをISIS戦闘員に知らしめたという点ではないでしょうか。個人の技量も人類の頂点レベルにあるのでしょうが、それを一般化させうる装置が量産されているという無言の圧力。

常に半径3.5キロに注意を払いながら活動しなければならないとなると、ISIS側の士気は大いに減衰するはずです。

高度な計算能力の携帯という変化、これは21世紀の戦場における大きな抑止力になるかもしれませんね。

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