私は2008年、3回目の海外派遣で南米にある仏領ギアナに行きました。
ここはブラジルと隣接し、まさに南米アマゾンの真っ只中にあり、派遣期間中のほとんどをジャングルで過ごしました。
私は第9海兵連隊(9eRIMa)に配属され、まず初めに密林任務適応課程を受けてから任務に就くことになりました。
ジャングルとは、どんなところであるのか、そこで生き延びるための方法などイロハを学びました。
ジャングルは、日本の森林とは全く別次元のもので、熱帯雨林の高温多湿の気候、森の深さ、人を寄せつかない険しさ、生物の凶暴さ(特に虫などで、体に卵を産み付けられたり、噛まれると高熱や激痛などが発症する)、一日中全身が濡れている状態、頻繁にある渡河、劣悪な衛生環境や病原菌(ほんの僅かな傷が致命傷になりかねないほど化膿したり、赤痢、マラリヤ)など、本当に厳しい環境でした。
任務は、密入国した犯罪組織がジャングルの奥地に不法な金の採掘所を建設したり、密輸したりするのを捜索、検挙するものでした。
隣国のスリナム人やブラジル人の犯罪者がどんな抵抗するから分からない危険もあり、その一部は武装したりしています。
我々は国境付近のジャングル内にある拠点に長期潜伏して、不法採掘者の輸送ルートを偵察、追跡してから、深夜に待ち伏せをして、実力行使をしたりします。
その結果、死傷者が発生するケースなどもあり、かなりハードなものでした。
そして我々は、採掘所に出入りする関係者を確保して情報を聞き出したり、持っていた無線機を傍受し、ジャングルの奥地にある秘密の採掘場を奇襲して一斉検挙に成功し、不法に採掘された大量の金を押収しました。
この頃にはジャングルでの生活は、本当に心地よく、久しぶりに駐屯地に戻っても、またジャングルが恋しくなって帰りたくなっていました。
今考えても、ジャングルは本当に良かったです。